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旬刊 ~ポルチーニ~

2013.07.19 (Fri)

旬刊 菜果三十六景
  「第十景 ポルチーニ」
児玉和則

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What'sポルチーニ
ここ数年、レストランでパスタやスープに「ポルチーニ茸の○○」と書かれたメニュー
が目立つようになりました。まだ知名度が低いので「ポルチーニ」はどんなものかよく
わからない方がいると思います。
ポルチーニ(イタリア語)はキノコの一種。和名では「やまどりたけ」です。イタリア
語なので、イタリアンな店ではポルチーニで通用しますがフレンチレストラン(仏語)
では「セップ」、ドイツ語ではシュタインピルツ(石キノコの意)といわれています。
ポルチーニはキノコの傘の裏がひだではなくてスポンジのようになっている「イグチ」
の仲間。地面から生えるキノコで、まつたけ同様に人工的な栽培はできていません。よ
って、すべてが天然採取ものです。
このポルチーニ(やまどりたけ)は、亜高山地帯の針葉樹林に生えるもので日本ではあ
まり採取できないそうです。が、「ポルチーニ類」となると別で山陰地方でも生えてい
ます。私が松江市内で確認したポルチーニ類は「やまどりたけもどき」「むらさきやま
どりたけ」「あかやまどり」です。
天然キノコは「秋」のイメージがありますが、このポルチーニ類は夏から秋にかけて発
生し、特に梅雨の時期によく発生する梅雨どきのキノコといえます。


やまどりたけもどき
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前書きが長くなりましたが、松江市内で見つけたポルチーニ類を紹介します。
まずは、やまどりたけもどき。
見た目はやまどりたけ(ポルチーニ)そっくり。ちょっと前までは、同種とみられてい
ました。ただ、針葉樹ではなく広葉樹の森に発生する点が違います。味もやまどりたけ
に近いのですが、ドイツ語でいう「石キノコ」までの堅さはありません。


むらさきやまどりたけ
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堅いキノコといえばこれ。とあるキノコアドバイザーが「島根県で採取できるキノコで
もっとも美味はこれ。」とおっしゃってました。確かに柄は堅く、傘にはぬめりがあり
、醤油にも似た香り。おいしいです。南方系のキノコのようで山間部には生えず、島根
県中山間地研究センターのキノコ担当の方は、「(生えている)実物は、見たことがな
い」そうです。中国産のポルチーニの乾燥品は、ほとんどがこのキノコらしいです。


あかやまどり
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右側のキノコがあかやまどり(左はむらさきやまどりたけ)。このキノコをポルチーニ
の仲間にすることに違和感がある方もいらっしゃいますが、私はOKと思ってます。で、
これは、でかいです。開いた傘の直径20センチを超えるものはざらにあります。これ
も柄は堅くしまっておいしいです。

※注意
これらのキノコ全部にいえることは、虫が入りやすいこと。とにかく虫がキノコを見つ
けて中に入るより先にこっちが見つけて採取することが肝心です。大きくなるまで待っ
てと思って、発見翌日に取りに行くと、虫に食べられてスカスカのキノコになってしま
います。上の写真のあかやまどりを割ってみました。傘の部分には、すでに虫喰い穴が
あります・・・
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傘の下についてるスポンジ部分は、消化が悪いとされていて、料理する際に取り除くこ
とが多いです。


おまけ
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採取したポルチーニを松江の居酒屋に持参、ソテーにしてもらいました。
やはりプロに料理してもらうとおいしいです。歯ごたえ&ぬめりが最高でした。
Text&Photo by Kazunori_kodama(Vegetable Sommelier)

11:06  |  菜果三十六景  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

旬刊 ~アーティチョーク~

2013.07.11 (Thu)

旬刊 菜果三十六景「第九景 アーティチョーク」
児玉和則
アーティチョーク、日本名朝鮮アザミ。名前は知ってても、食べたことのある方は少な
いと思います。巨大なアザミの蕾のがくの部分を食べます。
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野菜として蕾を食べる利用と開花したものを「花き」としての利用もあります。野菜として
は、5月から6月にかけて蕾を収穫します。我が家では、まだ栽培3年目ということもあ
り、収穫時期の見極めに苦労しています。時期が早いと可食部が小さいし、花が咲くと
商品価値が下がります。このくらいが収穫適期かな。これで直径10センチメートルくら
いあります。
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栽培で苦労するのは、背が高くてしかも頭でっかちなので、株全体が転倒というかひっ
くり返りやすいこと。支柱を立てて支えてやらないといけません。また、我が家だけか
もしれませんが、「こなが」という蛾の幼虫が発生しやすく、葉っぱはもちろん蕾まで
食べることがあるので注意しています。

収穫したアーティチョーク。上側の二つは若干収穫が遅かったかな。
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直径が10センチメートルもあるような大きい蕾ですが、食べられるところはわずかです
。基本、下の写真の丸部分「花托」を食べます。切り口が直ぐに変色するので、レモン
果汁を塗ったり、20分程度蕾丸ごと茹でるなどの下ごしらえが必要です。
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茹でたものを食べてみましたが、ゆり根とそら豆をまぜたような味で、おいしいんです
が、手間の割に食べる部分がが少ない感はどうしてもあります。若く小さなものは蕾全
体を食べられるそうだけど、試したことないです。
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丸ごと茹でて、がくを外した様子。このがくの基の部分についているちょっとした「肉」
も食べます。歯でこさげるようにして削って食べます。

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本格的に食べるのはこの部分。松江のレストランではピクルスにして付け合わせとして
供されていました。


おまけ
花はこんなんです。直売所では、食用より生け花用の花の方がよく売れます。
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Text&Photo by Kazunori_kodama(Vegetable Sommelier)
16:09  |  菜果三十六景  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

旬刊 ~栗の花~

2013.06.24 (Mon)

旬刊 菜果三十六景
「第八景 くりの花」
児玉和則
5月の下旬から6月にかけては、柿だけでなく、栗も花の季節です。
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この時期、木の表面というか葉先に白い花が咲きます。全体ではこんな様子になります。
目立つので見覚えのある方もいるでしょう。
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雄花
くりも雄花と雌花があります。雄花はよくわかりますが、雌花は目立ちません。雄花は、
猫のしっぽのような白く細長い形です。
雄花のアップ。おしべがいっぱいついていてもふもふ感をだしています。
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雌花
雌花は、最初の写真で見ると○の中です。
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雌花のアップ。直径5ミリ強。これから、いがが生えてきて、9月には堅い殻の栗が採れ
ます。
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におい
くりの花の特徴はなんと言ってもそのにおいにあります。
このにおいを嗅いで、どんなにおいかわかる方(特に女性)は大人。このにおいに
たかる虫によって受粉させているそう。においの元はスペルミンという物質。
2506_2_6.jpg


もったいつけていますが、くりの花が、どんな(何の)においなのか知りたい方は、調
べて下さい。「くりの花 におい」でネット検索するとすぐ解ると思います。あしから
ず。
Text&Photo by Kazunori_kodama(Vegetable Sommelier)




14:15  |  菜果三十六景  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

旬刊 ~さやいんげん~その1

2013.06.14 (Fri)

旬刊 菜果三十六景 
「第七景 紫色のさやいんげん」
児玉和則
色物野菜シリーズの第1回は、紫色のさやいんげんです。これは、イタリアの品種で
「トリオンフォバイオレット(trionfo violetto)」というそうな。
インターネットで種子を購入し、栽培してみました。
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栽培・生育は普通のさやいんげんと変わりありませんでした。しいていえば、一般のも
のより気温の変化に対して頑丈な感じがするくらい。割と作りやすいのではないかと思
います。ただ、ビニールハウス内での栽培だったから、露地(露天)ではちょっと違う
かも。
花は、さやの色同様に赤紫色。一般のさやいんげんは、白い花がほとんどと思う。
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実というか、さやは最初から紫色ではなくて、小さい頃は緑です。大きくなるにしたがっ
て、表面が紫に色づいてきます。
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収穫
収穫しました。販売されている丸さやいんげんに比べ、大きくさせていることもあり、
少々堅いです。
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切ってみると中は鮮やかな緑色で、表面だけ紫に色づいているのがわかります。
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料理
表面の紫色、紫色のブロッコリーやアスパラガスと一緒で茹でたり蒸したりして熱が
とおると脱色して緑に戻ってしまいます。

加熱前
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加熱後(電子レンジ600wで2分)
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若干紫色の名残がありますが、ほとんど色が落ちて普通のさやいんげんとあんまりかわ
りません。紫の色素がアントシアニン系?だから色落ちするのかな。なので、紫色を生
かして食べる(生では青臭いから×)には、酢水で茹でたり、ゆで時間を超短時間にし
て、色が変わり始める直前に取り出し、冷水につけるとかすればなんとかできるかも。
さやいんげんは、若い柔らかいのもよいですが、私は少々大きめのものを堅めに茹でて、
独特の「キュッ、キュー」という歯ごたえがたまらんです


さやいんげん「その2」はまた今度。
色物野菜シリーズ次回は、マニアな野菜が収穫で きたらということで…

Text&Photo by Kazunori_kodama(Vegetable Sommelier)


11:48  |  菜果三十六景  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

旬刊 ~柿の花~

2013.06.08 (Sat)

旬刊 菜果三十六景
「第六景 柿の花」
児玉和則

柿の花?柿の木が身近にある人でもどんな花かあんまり思い出せないのでは。
それだけ柿の花は、トップクラスの地味花です<苦笑>

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花は5月下旬から6月中旬にかけて咲きます。
上の写真は、島根ではおなじみの渋柿 「西条」。

下の写真は甘柿の代表「富有」です。がくの形の違いとかわかりますか?
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柿の花は、雄花と雌花があります。
品種によっては雌花しか咲かないものや雌花・雄花両方咲くものがあったり、雄花も結
実(実が成ること)したりとややこしいことになっています。
上の2枚の写真はともに雌花で西条や富有は雌花しか咲きません。西条は雄花が無くて
も結実するようで、我が家で収穫する西条の半分近くは、種がありません。
雄花、雌花がある品種は最近人気の「太秋」や「甘秋」などがあります。太秋は、雄花
も小さな実が結実します。収穫して食べたことはないですが。

甘秋の雄花。固まって咲きます。開花後、花は落ちてしまいます。
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雄花、雌花の花びらを取ってみました。
左から西条の(雌)花、太秋の雄花、太秋の雌花、太秋の雄花二つです。雌花にもおし
べらしきものがあり、雄花にもめしべらしきものがあります。
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摘花・摘蕾
この時期農家がやらなくちゃ行けないのが、摘蕾(てきらい)とか摘花。実の数が多い
と小型の実ばかりで商品価値がないから、ひと枝に1個から2個、大きな実が採れるよう
花を摘み取る作業です。蕾や花のときに行うのは、実がついてからだと折り取る部分が
堅くなって簡単に取れない(はさみが必要)から。

摘蕾前
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こんな枝を次のようにすっきりさせます。これで秋には大きい実が採れます。
摘蕾後
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おまけ
柿の花は地味な花ですが、蜂蜜屋に言わせると上品で雑味の少ない高級感のある蜜が採
れるそう。
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                     Text&Photo by Kazunori_kodama(Vegetable Sommelier)


17:42  |  菜果三十六景  |  Trackback(0)  |  Comment(0)
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